月別アーカイブ: 2009年1月

『若旦那・若女将の遣欧使節団』スペイン編


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行って参りました.遣欧使節団.話せば長くなることですので,“まとめトーク”でお話しいたします.

「新潟県旅館組合の若旦那と若女将達は,22時間の旅をし,餅をつき,おにぎりを握り,新潟の銘酒を振る舞い,無事18時間で新潟へ戻って参りました.」

これじゃー全然わかんないだろうのお声もございますが,ブログ『オイラは〜』に当館宿六が編集しました動画『若旦那・若女将の挑戦2009~新潟県旅館組合遣欧使節団のルポルタージュ』を掲載してございます.どうかひとつそちらをご覧下さいませ.(フランス編につづく)

新潟日報_FITUR_新聞画像↑(餅搗き!)

2009年1月31日付・新潟日報の写真.因みにわたくしも右端に着物だけ写っておりました (Photo by Mr. S. Nakamura, Courtesy of NIIGATA-Nippo)

SANYO DIGITAL CAMERA↑(真後ろ!)

日報の写真の逆アングル.日本ブースは大人気で,いつも黒山のような人集り

【シリーズ:ブック・リヴュー】太宰治の『佐渡』


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ある日のことジェットフォイル船内.“本日は波穏やにして晴朗なり”なのです.

1時間読書でもと本を開き2ページ読み終わりつつ,グーグー真っ昼間に白河夜船を漕いでおりましたら,ツンツンと.

“この気持ちよい眠りを覚ますのは誰じゃぁー”と,となりを見ると連れ合いが窓の外を指し示しておりました.その先に見えましたのが,くっきりと浮かび上がる大きな島のシルエット.

“太宰の『佐渡』だよ”と連れ合い.

寝ぼけアタマには“暫しお時間下さい…………………”と次の瞬間“わーっっっっ!”と私の叫び.

太宰治が初めて目にした佐渡ヶ島は正にこれだったのかと,合点がいきまして,先の叫びとなるのです.

太宰の『佐渡』を読んでからどうも気になっておりましたある一節があります.

【佐渡は,もうすぐそこに見えている.全島紅葉して,岸の赤土の崖は,ざぶりざぶりと波に洗われている.もう,来てしまったのだ.(中略)もう,来てしまった.けれども,誰も騒がない.(中略)船も島も,互いに素知らぬ顔をしているのである.島は,船を迎える気色が無い.ただ黙って見送っている.船もまた,その島に何の挨拶もしようとしない.(中略)島は,置き去りにされようとしている.これは,佐渡ヶ島でないのかも知れない.】

この後,太宰は狼狽しつつ,この島影が何であるのかを自問自答しながら解いていくのであります.

そして最初に太宰が佐渡と思った陸地を船は通り越し,更に見えてきた大陸を目にした太宰は以下のように表現しております.

【私の混乱は,クライマックスに達した.日本の内地ではないかと思った.それでは方角があべこべだ.朝鮮.まさか,とあわてて打ち消した.】

そして太宰の抱いたこの何とも奇妙な疑問は,ある親子の会話によって解き明かされるのです.このあたりのくだりがなかなかおもしろいのですが,興味をお持ちになられた方はどうぞ「筑摩全集類聚版太宰治全集」をご覧下さい.そう言えば,青空文庫にも無料でありますね.

大変長くなってしまいました.結局“佐渡は大きいが,何もない”と書いてあったような気がします.

そうなのです.

太宰も”朝鮮はたまた内地?”と素っ頓狂な推測をするほど大きな,そして何もないことがこの上なく贅沢と言える『佐渡』を是非体験しにいらしてみて下さいませ.ヨロシクッ

佐渡にもあります”にほんの里”


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朝日新聞社主催の『にほんの里100選』に佐渡の南東に位置する3集落が選ばれました.

応募件数4474件の中から新潟は十日町市の松代松之山地区と佐渡の片野尾月布施野浦地区が選ばれました.

松之山と言えば“新潟女将の会”でご一緒させていただいております『ひなの宿千歳』さん(しっとりとしたすばらしいお宿です)がございます.

佐渡の3集落は海沿いの小さな集落です.島で最後の朱鷺が保護されたのがこの地域です.

集落の背後にそびえ立つ高台には,棚田や畑があり,昨年の“朱鷺放鳥”直後にトキが飛来してきたそうです.流石,本能でしょうか自分たちにとって住みやすい場所はすぐにわかるとみえる…人間もこうした本能を身につけ住みやすい佐渡へ沢山の方が”飛んで”来て下さることを願っている次第です.

もう一つ片野尾地区は『片野尾歌舞伎』でも有名なのです.あの板東玉三郎さんもお尋ねになったそうでございます.演者はさぞ緊張もしたでしょうが,励みにもなったことと思います.こちらの歌舞伎は”子供歌舞伎”として有名なのであります.

実は私,テレビでは拝見したことはあるのですが,実際の生舞台は未経験につき,是非見たいと願っておる次第です.

皆様も里山100選を味わい,片野尾・子供歌舞伎の観劇,そして有機栽培をしている棚田のコシヒカリを食べ,佐渡の地酒に舌鼓というベリ~・マニアックな旅をしてみては如何でしょうか?

この『にほんの里100選』に先立ちまして,実は佐渡にはもう一つ…

JTBが雑誌「旅」の創刊750号目を記念して選定した『日本の秘境100選』にも佐渡の最西北端・外海府地区が選ばれております.先程の3集落は内海つまり対岸は新潟本土なのですが,外海府は外海つまり対岸は北朝鮮?みたいな違いがあり,大分様相を異にします.真冬ともなれば黒い岩に砕ける波は,まるで海の主が怒り狂い天へと昇らんとするかのようです.

それぞれ表情の違う佐渡ヶ島.“だから佐渡はやめれんっちゃ”なのです.